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日本放送協会(NHK)
総務が進めるファシリティマネジメントの高度化 AIで会議室の実利用を可視化し、月間200件超の未使用予約枠を開放
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東京・渋谷に立地するNHK放送センターでは、共用会議室の需要が高く、予約が取りづらい状況が慢性的な課題となっていた。そこでNHKはこの課題に対し、単なる予約管理の見直しにとどまらず、ファシリティマネジメントの観点から、会議室の実利用をデータで把握し、施設運用の最適化につなげる取り組みを推進。 Gravioの会議室スマート化ソリューションにより、会議室の在室有無や利用人数を自動で取得し、BIツール(TableauやMicrosoft Power BI)で利用実態を可視化する仕組みを構築した。さらに、予約されているものの実際には利用されていない「空予約」を解消するため、会議室予約システム(Microsoft Outlook)と連携。予約開始後、一定時間が経過しても無人の場合には、空予約を自動的にキャンセルし、予約枠を開放する仕組みも構築した。利用者に追加操作を求めることなく実利用データを把握できるようになり、会議室の有効活用とファシリティマネジメントの高度化につながっている。
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導入について

「ファシリティマネジメント」の高度化を推し進めるNHK
─ まず、NHK様の主な業務について教えてください。
佐藤氏 皆さんご存じの通り、NHKは公共放送局として「信頼できる放送」を全国にあまねく届けることを目的に運営されている放送局です。テレビ・ラジオによる放送サービスに加え、全国各地域に根差した地域放送、海外に向けた国際放送、インターネット配信事業など、多様なメディア領域でサービスを展開し、国内外へ幅広く情報発信を行っています。
─ 佐藤様は現在どのような業務に携われているのでしょうか?
佐藤氏 私は現在、総務局という部署に所属しています。総務は組織全体の土台を支える重要な存在です。職員が安心して働ける環境を整え、内外の関係者との調整や情報管理を行うことで、組織運営を裏側から支えます。一方で、一般的に「総務」と聞くと、業務現場から上がってきた多岐にわたる要望に都度応える「受け身」のイメージを持たれることがあると思いますが、NHKの総務局では数年ほど前から、「受け身の総務から戦略総務への転換」を掲げて業務改革を推し進めています。
この改革の柱の1つに位置付けられているのが、「ファシリティマネジメント」の高度化の取り組みです。具体的には、NHKが保有する各種施設を戦略的に管理することで、スペース効率や稼働率を向上させてコストを削減したり、より働きやすいオフィスを設計したり、環境に配慮した施設を実現したりといった活動を通じて、経営戦略により深くコミットすることを目指しています。
─ 総務局全体の人員のうち、どれぐらいの方々がファシリティマネジメントに携わっているのでしょうか?
佐藤氏 現在約60人いる総務局の人員のうち、約半分がファシリティマネジメントの活動に従事しています。総務局に配属されたメンバーは、まずファシリティマネジメントの分厚いガイドブック「公式ガイドファシリティマネジメント」(日本経済新聞出版社)(※2)を手渡されて、ファシリティマネジメントについての理解が求められます。またこのガイドブックの内容に基づいて日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)が実施している「認定ファシリティマネジャー資格試験」(※3)の受験も推奨されており、私も含めて多数の職員がこの資格を取得しています。
さらには、外部に向けてNHKのファシリティマネジメントの取り組みについて積極的に情報発信しており、総務局長の佐々木がJFMA主催のイベントに登壇したり(※4)インタビューに答えるなど(※5)、さまざまな場を通じてNHKの取り組みを紹介しています。
Gravioで会議室の利用状況を自動的に検知・可視化
─ 今回Gravioを導入して会議室の運用改善に取り組まれたのも、ファシリティマネジメントの一環だったのでしょうか。
佐藤氏 その通りです。もともとNHK放送センター(東京・渋谷)では、会議室予約システム(MicrosoftOutlook)を使って共用会議室の予約を利用者から受け付けているのですが、会議室の需要が高く、常に予約が埋まっている状態が続き、利用者が希望する時間帯に予約を取りにくい状況となっていました。そのためファシリティマネジメントの取り組みの一環として、こうした状況を改善する必要があると常々考えていたのですが、実際に会議室エリアに足を運んでみると、空いている部屋も意外とあることに気付きました。そこでまずは、会議室の利用実態をきちんと把握することが先決だと考えました。
またファシリティマネジメントの一環として、適切な会議室の数や規模を検討する上でも、まずは会議室の利用実態を定量的に可視化する必要がありました。そこで、会議室の利用実態を把握するために、入室時に利用者がスマートフォンを端末にタッチしたり、暗証番号を入力したりする仕組みも試しました。しかし、利用者に追加の操作を求める方式では、タッチ忘れや入力の手間が発生し、どうしてもデータに抜け漏れが生じてしまいます。そのため、利用者の操作に依存せず、自動で在室有無や人数を把握できる仕組みが必要だと考えました。
─ そこでGravioに目を付けられたわけですね。
佐藤氏 はい。利用者に特別な操作を求めることなく、自動的に会議室内の人の有無や人数が取得でき、かつOutlookと連携できるような仕組みがないか、さまざまな製品の情報を収集して比較検討を行いました。その結果、最終的にGravioが私たちのニーズに最も合致すると判断して導入を決めました。
─ 機能面以外では、Gravioのどのような点に魅力を感じましたか?
佐藤氏 かつて5年ほど前に社内で、一部の会議室にカメラを設置して、AI画像認識技術を使って会議室の利用人数を自動検出する仕組みを内製開発したことがありました。この仕組み自体はうまく機能したのですが、社内の開発者がPythonで一からプログラミングして開発したために、開発担当者が異動してしまうと中身がブラックボックス化してしまいメンテナンスできなくなる恐れがありました。
その点Gravioのようなベンダー製品であれば、ベンダー側でしっかりメンテナンスや保守を行ってくれますし、特にGravioの場合はノーコードで設定・変更しやすく、中身がブラックボックス化し、属人化してしまう心配はないと判断しました。加えて、技術力が非常に高く、「これなら信頼してお任せできそうだ」と感じたこともGravioを選定した理由の1つでした。
Outlook連携による「空予約の自動キャンセル」で会議室稼働率が向上
─ Gravioの導入作業はスムーズに運びましたか?
佐藤氏 まずは5年ほど前の内製開発時にカメラを設置した会議室を対象に、Gravioを使って会議室の利用人数を自動的に検出・可視化する仕組みを構築することにしました。既にカメラは設置されていましたし、Gravioのソフトウェア設定やOutlook連携の実装はアステリアさんにすべて行っていただいたので、導入作業自体は極めてスムーズに運びました。


緑色の枠は、AIが人物を検知している箇所を示しています。
─ 情報の可視化はどのように行われたのでしょうか?
佐藤氏 「会議室ごとの利用人数」のデータを時刻情報とともにGravioから出力して、それを私のPCに読み込んでBIツール「Tableau」を使ってさまざまな切り口から集計・分析を行いました。具体的には、会議室ごとの利用人数の推移を時間軸で追いながら、利用状況の傾向を子細に分析してみました。その結果、部屋や時間ごとに稼働率の違いや、「1人で使われているケースが意外と多い」といった傾向が明らかになり、会議室や個室ブースの増設計画といったファシリティマネジメントの施策につなげることができました。
さらに、Outlookの予約情報と突き合わせてみた結果、予約しているのに使われていない会議室が10%ほどあることが分かりました。そこで、これら「空予約」されている会議室を開放して、より多くの利用者に会議室を使ってもらえるよう、予約開始時刻から一定時間が経過しても会議室が無人だった場合、Outlookと連携して空予約を自動的にキャンセルし、予約枠を開放する仕組みをアステリアさんに追加設定してもらいました。

※会議室の稼働率は、一般的に65〜70%程度が適正な目安とされ、70%を超えると予約が取りづらくなり、利用者満足度が低下しやすいと言われています。

※会議室の利用状況を分析すると、1~2名など、少人数で利用されているケースが一定数見られます。
こうしたデータを、利用人数に応じた会議室の使い分けや、スペース配分の見直しに活用できます。
─ それによってどのような効果がもたらされましたか?
佐藤氏 空予約の自動キャンセル機能により、現在では月間200件を超える予約枠が自動的に開放されています。さらに、「予約していないが、その場で空いている会議室があればゲリラ的に使う」ケースが増えていることが分かりました。結果的に、会議室全体の利用効率が高まっていることがデータからも明らかになり、職員からも「会議室が取りやすくなった」「空き会議室を見つけやすくなった」という声が寄せられるようになりました。
ちなみに当初は、システム側で強制的に予約をキャンセルしてしまうことで「せっかく予約していたのに、いざ会議室に行ってみたら別の人に使われていたじゃないか!」といったクレームが上がってくることも予想していましたが、いざ蓋を開けてみたらそのようなクレームは一切発生しませんでした。

※自動キャンセル導入後は、空予約が減少し、実際に利用したい人が会議室を予約しやすくなりました。
また、実態に即した稼働状況を把握しやすくなり、限られた会議室の有効活用にもつながっています。
共用会議室の約半数にGravioを展開し、利用状況を可視化
─ その後、この仕組みを適用する会議室の数は増えましたか?
佐藤氏 当初導入した会議室で効果が明確に表れたので、その後さらに適用範囲を広げ、現在では放送センターの共用会議室のうち約半分にカメラや人感センサーを設置して、Gravioを通じて利用人数を自動的に検知・可視化するとともに、Outlookとも連携して空予約の自動キャンセル処理を行っています。
─ 運用方法に何か変化はありましたか?
佐藤氏 社内のポータルサイトで「共用会議室の利用人数を定常的にチェックしていること」「予約開始時刻から一定時間が経過した場合は自動的に予約キャンセルされること」を職員に広く周知したことで、使わない会議室予約を自主的にキャンセルしてくれる利用者が増えたのではないかと思います。
なお、当初は予約開始時刻から10分間経過したら自動キャンセル処理を実行していたのですが、データを分析した結果5分間の方が適切だと判断し、アステリアさんに設定を一部修正してもらいました。この修正作業も極めて迅速に行っていただけたので、大変助かりました。そのほかにも、こちらの要望に応じて細かなチューニング作業を適宜行っていただいたおかげで、継続的な運用改善が可能になっています。
─ 今後のGravioの活用については、どのような計画や展望をお持ちですか?
佐藤氏 2年後に放送センター内の改修工事が完了し、新たな執務・共用スペースが整備される計画ですので、そこに設けられる共用会議室にも導入する予定です。また今後は総務局のファシリティマネジメントの取り組みを地域放送局にまで拡大できないか検討しており、地域放送局でも会議室の利用実態を可視化し、施設の最適化を図っていきたいと考えています。
なお現時点ではGravioのデータを私のPC上で集計・分析しているのですが、データ自体は社内のSharePoint Server上で保管されているので、将来的にはこれをPowerBIを通じて職員間で広く共有できる仕組みを構築したいと考えています。このような将来構想を具現化する上でも、ぜひアステリアさんには引き続き強力な支援をお願いしたいですね。
──ありがとうございました。
※1:カメラ画像は、個人を識別する目的では利用していません。AIで在室の有無や人数を検知した後、画像はその場で破棄し、会議室の利用状況を把握するためにのみ活用しています。
※2:『公式ガイドファシリティマネジメント』刊行について(JFMA)
※3:認定ファシリティマネジャー(CFMJ) 資格 試験案内(JFMA)
※4:ファシリティマネジメントフォーラム 2026(JFMA)
※5:『FM統括責任者に聞く 変えるFM ①』(JFMA)
Gravio

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ご担当者様

日本放送協会
総務局 佐藤真悟様
Gravioの魅力は、利用者に特別な操作を求めることなく、会議室の利用実態を自動で把握できる点です。在室有無や利用人数を可視化することで、ファシリティマネジメントの判断材料として活用できています。
空予約の自動キャンセルにより、月間200件を超える予約枠を開放できるようになりました。今後もデータを活用し、より働きやすいオフィス環境づくりにつなげていきたいと考えています。
日本放送協会(NHK)
所在地
〒150-8001 東京都渋谷区神南2丁目2番1号URL
https://www.nhk.or.jp/設立
1950年6月1日(放送法に基づく日本放送協会の設立日)事業内容
国内向けのテレビ・ラジオ放送、番組および関連情報のインターネット配信、国際放送、放送・受信技術の研究開発などを行う公共放送事業






























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