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2019-05-10

「気付き」と「ニーズ」で日々進化するIoT!好評のマッサージチェア利用状況可視化をグレードアップ!〜利用終了のステータスを更にわかりやすく通知してみよう〜

「気付き」と「ニーズ」で日々進化するIoT!好評のマッサージチェア利用状況可視化をグレードアップ!〜利用終了のステータスを更にわかりやすく通知してみよう〜

IoT、「導入しっぱなし」になっていませんか?

Gravio事業部のタルミです。前回、社内に設置されているマッサージチェアの利用状況「見える化」を行ってみたところ、社員からも好評でして、ワークプレイスの快適度向上に寄与できたのでは、と思っているところです。

ただ、一度仕組みを作ったらそのまま、というIoTの仕組みって

結構よく見る気がするのですが、はたしてそれで良いのでしょうか?

もちろん、特定のシゴトをIoTを利用して解決する、となれば、そのシゴトさえ上手く行っていればOKという考え方もありますが、やはり一度実装してみると、

更に精度を上げたり、他のセンサーやシステムとデータをつないだりして、その仕組みとしての「価値」を更にブラッシュアップしていきたい、というニーズが出てくるのではないでしょうか?

これはIoTを実装する上で、非常に重要な点です。

ユーザーニーズは、いつの時代でも「欲張り」であるべきだと、私は常に思っています。

そのニーズを満たすことができないと、システムは継続的に発展もしませんし、その価値も、利用者の数も、「頭打ち」になってしまいます。当然、発展しないシステム、新しい価値を創出できないシステムには、予算もつきませんよね。

だからこそ、どういった仕組みが今後必要で、そのためにはどのようなデータが必要なのか、それはどういったセンサーや他のシステムからの情報で収集できるのか、さらには、次にこういうことをしたらもっと価値が向上する、ということを、常に考えていなければなりませんし、

考えたことを具現化する、すなはち、仕組みをつくり、実証し、実装してゆく。

この一連のプロセスが「かんたん」かつ「高速」でないと具合が悪いわけです。

OODAとPDCAの両方を意識していることが肝要とも言えます。即応力と計画実行力と日々の迅速な改善、ですね。

マッサージチェアの利用ステータスをより確実に取得したい

前回のブログでもご紹介したとおり、既に当該システムは稼働しています。

『マッサージチェア利便性改善を10分で実装 〜設備をここちよく利用して、生産性を改善するためのTips〜』

シンプルな実装ということで、人感センサー(人を感じると“いるよ”という信号を発する)で作成したのがVer.1です。ところが、人が来たら発報するこのセンサー、退出情報は残念ながら検知できません。

人感センサー

Ver.1では着座時の情報をもとに、マッサージチェアの最大利用時間である15分後に来てもらうようなメッセージを送る仕組みにしていました。

メッセージを送る

この仕組みは概ね問題なく動作しているのですが、一部の利用者は5分程度の「クイックマッサージ」を利用されているようですし、マッサージ後に「着座した状態で余韻を楽しむ」方もおられます。結果、利用時間のばらつきが問題になってきたのです。

「機械の利用効率と、利用者の満足度のダブル向上」これが次の課題です。

ストレス解消のためのマッサージ機がストレスを生み出しては元も子もありません(笑)

早くマッサージが終わったら、すぐに次の人が使えるよう通知したり、15分以上のマッサージ利用者にも心置きなく使ってもらえるように改良します。

デザイン性を阻害せず、マッサージチェアの利用ステータスをより確実に取得!

さて、離席(利用終了)をどうセンシングするか。ここがVer.2となる今回のキモです。

理論通りにセンサーを用意しても、上手くデータが取得できなかったりするのがIoTあるあるですが、「現場合わせ」が結構あるんですよね。

そこで、今回考えた情報取得の方法は以下となります。

人が座っていないと自動的に停止するところを見ると、おそらく着座センサーは機械本体に内蔵していると思われます。もちろん、分解して内部配線から動作データをとれば非常に安定度の高い着座データが取れるのですが、それは簡単なことではありません。

ブログでも何度もお伝えしていますが、

作業者のスキルに依存することはしないのが「カジュアルIoT」では重要なポイントです。

後付け(レトロフィット)でどこまでできるか、専用のセンサーなどを使わずにどこまでできるか、に焦点を当てて考えていきます。

<取得方法 その1>

AC電源の利用状態(電流値)をセンシングして、動作中、動作後をデータ化する。

クランプを使えば、電源ケーブルを切断したり、ハンダを使うことなく、動作中の電力消費からデータ化できる。待機電力および機械非動作時の電力消費と、モーター駆動時の電力消費の境目となるしきい値を設定してあげれば、判断は可能。

<取得方法その2>

利用終了後、別途用意した「マッサージ終了ボタン」を押してもらう。

仕組みとしては最もシンプルだが、人に依存する作業は「漏れ」があるはず。

マッサージ後の余韻が心地よくて、押さないで帰っちゃう人も多い?

<取得方法その3>

マッサージチェアの振動の有無から、マッサージ中、マッサージ後をデータ化。

<取得方法その4>

マッサージチェアの可動部分に開閉センサーを装着し、データ取得。

今回は、機械の動作状態を拾うことから考えていきました。

他に、赤外線センサーを複数使って入退室の人の動きや方向を取る仕組み、カメラ画像から利用状態を拾う仕組み、後付けの着座センサーなどといろいろ考えられますが、以前のブログでも書きましたように、赤外線センサーの筐体デザインと大きさ、リフレッシュゾーンにおけるカメラ設置への抵抗感、着座センサーがマッサージ機能を阻害してしまうリスク、などが想定されます。

更には「ありもの」のセンサー、Gravio認証済センサーで対応できれば導入が楽ですので、そのあたりを考慮しつつ、最終的に検討したのは<取得方法その3、振動センサー>と、<取得方法その4、開閉センサー>です。

センサーが提供するデータの「特徴」を見ながらの現場合わせ

まずは<振動センサー>の検証からはじめていきます。

仕組みとしては、弊社のGravio有償版でお貸し出ししている振動検知センサーを利用して、今回は「振動がなくなったら、離席した」とみなすことにします。

この振動センサーは、3種類の振動や動きに関する情報を吐き出します。

1つ目は「動き始めた」情報、2つ目は「回転量」、3つ目は「振動を検知したのち、収束した」情報です。よく利用されるのは1つ目と3つ目で、窓ガラスなどに貼り付け、割られるのを感知し、発報する、といった防犯用途に使われています。

今回は、この3つ目の「動きが止まったら信号を発する」という仕組みを使います。

マッサージチェアには様々なプログラムがあり、動作する部分(モミ玉っていうらしいですね)が違うのですが、誰もが座ることで動く部分を探していきました。結果、ヘッドレストの中にセンサーを入れちゃうのが最も「見た目に美し」く、「人体の動きを拾いやすい」という結論に達しました。モミ玉で揉まれているとき、頭部分は「いい具合」に動き続けます。逆に、人が居なければヘッドレストは動かないわけです。

本当はモーターに取り付けてしまえば一番良いのかもしれませんが、取り付けに分解が必要になり、「後付け」の域を超えてしまいます。

この、センサーをつける場所を手元のGravio経由で確認できるデータを見ながら探していく、という作業は、簡単に利用ができるからこそのポイントです。

センサーが小型に設計されていることも相まって、設置はとってもスマートに行えました。

マッサージチェアのようなものはリースやレンタルで利用されることも多いと思いますが、

レトロフィットの真骨頂。本体を傷つけたり、改造をすることなく、サクッと設置できるのも魅力ですね。

ヘッドレストの中にセンサーを入れる

センサーの感度が良すぎて、問題が発生!

結論から言うと、<その3、振動停止検知>は上手くいきませんでした。理由は簡単で、マッサージチェアのモード変更(足もみ→肩もみなど)のたびに一度機械が停止するのですが、その停止を拾ってしまいました。センサーの感度を鈍らせなければなりませんね。

センサーの感度を調整できればよいのですが、弊社の貸出センサーにはそのような機能は残念ながらありません。

そこで、<その4、動作時の可動部分に開閉センサーを設置>を試すことにしました。私自身、趣味で飛行機に良く乗るのですが、比較的良いクラスの座席は自動です。着座して、ポジションをリラックスモードにすることで、レッグレストの部分が自動的にせり上がってくるシステムがひらめきました。マッサージチェアの動きをよく見ていて、100%動作させると動くところはどこか?というのを10分ほど見つめ、15分ほどゆっくり座ってみましたら、どんな揉みモードでも、レッグレストが必ず動くのです。

また、マッサージチェア側のオートポジションリセットによって、必ず利用後は椅子がいわば離着陸態勢になり、レッグレストが定位置に格納されることに気づきました。これで、レッグレストの格納位置に開閉センサーをつければ、情報が取れることがわかりました。

レッグレストにセンサーを置く

利用者への情報提供方法

既に“利用開始”情報を提供していたSlackの同じチャンネルに、

「利用終了、次の人が使えます」というメッセージを追加で表示することにしました。

既に情報基盤として社員が集まっているチャンネルなので、Ver.2へのアップグレードはみんながすぐに気づいてくれます。価値の可視化は大事ですからね!

Slackでの反応

まとめ

実はこの機能、弊社CEOからVer.1の通知システム構築後にリクエストされていました。

本来、CEOのトップダウンであればすぐにやるのでしょうが、忙しさにかまけて、しばらく放置してましたが、査定時期でもありますし、似たようなニーズが他の利用者からも上がってきたので、本日、実装を行った、という次第です。

実装にかかった時間はセンサー選定に悩んだのも含めて、トータルで30分くらいですかね。

取得したい情報に対して、コスト、入手性、実用性、運用性、デザインなどを考慮し、最も合致した方法でのセンシングを行うことと、上手くデータが取れなければ、柔軟に取り付け方法を変更したり、他のセンシング手法を検討したりするフレキシビリティがIoTでは非常に重要です。

そういえば、ゴールデンウィーク中に鳥取砂丘に行ってきたのですが、ここでは赤外線センサーによる砂丘入場者数の測定をしていました。

屋外なので、風雨、地震などの振動の影響もあるでしょうし、カメラは夜間などの捕捉性能を考慮して、というセンサー選定なのでしょうね。(カメラですから、当然光量が安定しているところのほうが精度は高いです)。ボタンだと任意の情報になってしまいますので、ここでは自動ドアやセキュリティーシステムなどでも実績のある赤外線になったのでしょうね。動物や温かい物体が通ったら反応はするでしょうけど。

鳥取砂丘のセンサー

情報をどのようにセンシングしたら良いか、というアイデアを一番持っているのは

問題解決を行う「現場」にあるのだと思います。

その現場の方々が簡単かつカジュアルにデータを取得し、活用していくことができなければ、IoTの価値そのものが薄れてしまいます。現場百遍という言葉が適切だと思いますが、やはり、取りたいデータのある場所に足を運び、どの「打ち手」が良いのかを試行錯誤しながら実装していく必要があることを痛感します。

そのためには、「かんたん、カジュアル」であることは非常に重要ですし、そのような場面でGravioは役立つと自負しております。

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