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株式会社アシックス フットウエア生産統括部 カスタム生産部
クラフトマンシップと最新テクノロジーの融合 品質向上や効率化に加え、脱炭素も実現する生産現場におけるIoTテクノロジー
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世界中のトップアスリートたちのシューズを数多く手掛けるアシックス。その生産を担うフットウエア生産統括部カスタム生産部では、属人性が高くなりがちな少量生産の生産現場における生産ライン改善を推し進めるべく、Gravio(グラヴィオ)を導入。 勘と経験からの離脱、品質・生産性の向上、さらには生産における無駄を無くし、同社の目指す脱炭素社会を実現するための第一歩として、サスティナブルなシューズ生産のモデル工場となるべく、Gravioを駆使して日々改善に取り組んでいる。
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導入について
中堅社員主導のIoT導入
― Gravio導入の背景をお聞かせください
萩原氏:フットウエア生産統括部カスタム生産部では、アスリート向けのスポーツシューズを生産しています。国際的な競技大会に出場するトップアスリートをはじめとして、国内外のアスリートの方々のシューズを数多く手掛けています。
一般向けのスポーツシューズと異なり、ここで生産するシューズはそれぞれのアスリート用の特別仕様です。アスリートによっても違いますが、一人のアスリート向けに一度に作るのは数足程度ですので、テーラーのような感じで少量多種生産を行っています。
当社では中期経営計画で「デジタルを軸とした経営への転換」「事業活動を通じたサステナブルな社会の実現」を掲げていますが、いわばオーダーメイドのような個別生産が中心で、デジタル化による効率性の追求や、とことんまで無駄を削減するサステナブルな工程の確立には課題が少なくなかったのも事実です。
そんな折、現場担当である酒井から、この生産現場にもデジタル技術を使って効率化を図りたいという提案がありました。確かに属人性が高く技術伝承が難しい工程も存在し、経験則で品質確保が維持できているがデータとしての蓄積が不足しているところがあるという状況もあり、改善の必要性は感じていました。
酒井の話を聞いてみると、安価にスモールスタートで導入できる仕組みがあると聞きました。それがGravioでした。
酒井氏:私は入社時に今と同じ現場に配属され、シューズの生産に携わっていましたが、一時、本社で生産技術に関わる部門に配属されていたことがあり、その時に様々な生産改善の考え方などを学んできました。
その後、現場に戻ってきてからもなにか改善できることはないかと常々考えてきました。まずは、シューズのアッパー(足が入る部分)とソール(靴底)を加熱接着する機器の温度管理から取り組もうと考え、IoTシステムを探しました。しかしながら、センサーを機器に後付しようとすると、取り付けコストがかかる上、センサー自体も高く、実験的な取り組みでは難しいと判断し、見合わせていました。
そんな折、本社時代に縁ができた技術系の社員から、Gravioを紹介してもらいました。月額500円のプランで始められるということで、これなら上司も説得できるだろうと確信し、上申したところ導入できる運びとなりました。
いろいろな活用法にチャレンジ
― 導入はどのような感じで進めていかれたのですか
酒井氏:最初にGravio活用に取り組んだのは、ソールとアッパーに熱をかける機器内の温度管理です。それまでは、稼働させるのに適切な温度になっているかを、1日2回アナログ温度計を使って温度を測定していました。Gravio導入後は、乾燥を行うコンベアー部に温度センサーを取り付け、測定データをクラウド系BIツール(Google データポータル)にて可視化、さらに1日の温度変化レポートを関係者へメール共有しています。
萩原氏:動かし始めて驚いたのが、内部の温度変化です。もちろん許容範囲内には収まっているのですが、温度変化が思った以上に激しかった。この温度管理は重要で、接着の品質、つまりアッパーとソールが実際に使われても剝がれない強度を確保できるかを左右します。
さらに近年、環境への配慮もあり接着剤の成分が変わったことで、以前よりもシビアな温度管理も必要になってきています。
この加熱機器は量産工場と異なり開口部が大きいので、温度をキープするという意味ではハンデがありますが、Gravioを活用することで、微細な温度変化が把握でき、さらにより良い設定へ調整をすることができるようになり、かつ許容範囲内により近い設定へ調整することができるようになり、第一歩の成果があったと考えています。
― その後も続々と色々な使い方をされていったそうですね
酒井氏:はい。その次のGravio活用は、先ほどの乾燥機器の温度管理の拡張で、温度が許容範囲を外れるとGravioライトが赤く点灯し周囲に通知するという仕組みを追加しました。ライトをつけるまではPCの画面を見て温度状態を確認する必要がありましたが、許容範囲内は緑、範囲外は赤が点灯するようになり、遠くからでもひと目で分かるようになりました。
萩原氏:これは異常値を速やかに伝えるということにとどまらず、私のような管理者にとってもメリットがあります。いちいちPCの画面を見たり、機器のそばまで行かなくても、現場で辺りを見回せば機器の状態が把握できるようになったので、管理負担が軽減されたと感じています。
酒井氏:次にGravioで可視化しようとしたのは、工程の作業時間記録でした。これはGravioのダブルスイッチを使っています。作業開始時に開始ボタンを押し、作業終了時に終了ボタンを押すことで、それぞれの時刻がクラウド上の表計算サービスへ送信され簡単にタクトタイム(工程作業時間)を算出しグラフ化することができます。最初は押し忘れが多かったので、後でGravioライトを追加して、押し忘れを防ぐようにしたところ、押し忘れはなくなりました。
萩原氏:大量生産するラインであればタクトタイムの計測は生産技術の人間がストップウォッチを持って計測したり、それこそラインに自動計測するスイッチやセンサーをつけてやるのですが、こちらのような規模の小さな生産現場では、設備投資もできません。このようなことが簡単にできるのはGravioならではと思います。
倉庫や加工場の環境測定、製品の採寸も自動化
― いよいよ本格的に導入を進めていかれていったわけですね
酒井氏:この頃になるとセンサーの数も増え、Basicプラン(月額500円)ではカバーしきれなくなり始め、上位グレードに移行する必要が出てきました。これまでの実績で、Gravioでできることが社内でも認識され、さまざまなメリットも見えてきたので、承認を得ることができました。
― さらに新たな使い方を始められたとか
酒井氏:次のGravio活用は、人感センサーを使って、別の加熱機器による乾燥工程の完了を通知する仕組みを作りました。
乾燥が終了した出てきたソールを人感(熱検知)センサーで検知しGravioライトを点灯させることで、設備に目をやれば工程完了の状況が把握できるようにしました。
続いてのGravio活用は材料倉庫の温湿度管理です。材料倉庫にはアッパーに使うメッシュ材や天然皮革、ソールが保存してあり、特に天然皮革は一定の温湿度で保存しておく必要があります。ここも以前はアナログ温度計を設置して、1日2回程度チェックしていましたが、あくまで「その時の」温湿度であり、1日の温度変化を把握することができませんでした。
そこで、Gravio温湿度センサーを設置しクラウド系BIツール(Googleデータポータル)にデータ送信することで温度変化を可視化しました。
クラウドサービスを利用することで作業場以外でも温湿度変化を確認できるようになったおかげで、コロナ禍による在宅ワーク中でも倉庫環境のチェックができ、異常に対する対応がスピーディーにできるようになりました。
さらにGravio温湿度センサーを設置したのは、ソールを削る作業を行うバフルームです。ソールはワイヤーブラシで削り、その削りカスを吸い込めるように作業台の下には金網が付いているのですが、そのワイヤーブラシや金網が錆びてしまうことで、製品に汚れなどを付着させる原因になってしまいます。そのため、空調機器を利用した温湿度管理が常時必要となっています。これまではアナログ温湿度計を設置し、毎日チェックしていましたが、これをGravio温湿度センサーに置き換えて常時測定し、湿度が基準値を超える場合はGravioライトが青く点灯し周知に通知するようになっています。
最先端のソール厚測定システムで時間を 1/15 に
― 最新の活用事例はどのようなものですか
酒井氏:2021年3月に実装したのが、LiDAR(レーザー光による検知・測距)搭載のディスタンスセンサーを使った、シューズのソールやその他部品の厚さの測定システムです。
以前、マラソンの公認競技会におけるソールの厚さが話題となりました。ソールの厚さを正確に計測することがこれまで以上に重要となったとも言えます。シューズの機能を十分に発揮し、アスリートの方々に安心して我々のシューズを使用していただくためにシューズのソール厚さを測定しています。
以前はノギスを使って測定していましたがノギスによる測定は1足5分かかり、また弾力を持つソールを正確に測るには、ソールに力がかからないように細心の注意を図ってノギスを当てる必要がありますが、測定者によって力のかけ具合にばらつきが出てしまうこともあり、複数の測定者によるダブルチェックを行っていました。また、測定後の作業も複雑で、計測値は手書きしPCへの入力業務も行っていました。
2021年1月にディスタンスセンサーがアステリアからリリースされ、さっそく計測システムを作ってみたところ、わずか20~30秒で測定作業は完了。さらに測定はレーザー光による検知のため自動化され、測定者によるばらつきもなくなりました。計測はシューズに取り付けられている管理タグのバーコードを読み取ることで開始、測定した両足のソール厚、シューズの個体識別番号を管理シートへ投げ込み、アスリートのカルテデータと連携することで作業工程のトレースが可能となります。つまり、測定効率と精度を上げつつ、トレーサビリティも実現したのがこのシステムです。
トライ・アンド・エラーが手軽にできるのもGravioのメリット
― いろいろなGravio活用法を実践されていいますね。うまく行かなかった例もあるのでしょうか
酒井氏:あります。例えばミシンにGravioの振動センサーをつけて、稼働率ですとか、タクトタイムなどを取ろうとしたのですが、役立つデータを取ることができず断念しました。
このトライ・アンド・エラーが手軽にできるのもGravioのメリットだと思います。一般的なIoT機器ではコストや設置の手間などを考えると、簡単に「やめた」ということはできませんから。
改善実現のために伴走してくれるアステリア
― アステリアのサポートはいかがですか
酒井氏:導入時より色々と助けられています。単なるサービスの提供だけでなく、我々が実現したいことを確実にキャッチアップして、実現への支援を惜しむことなく提供してくれます。また、クラウド系BIツールや表計算サービスなどの最新技術とフレキシブルに連携できるシステムは、非常に使い勝手もよく重宝しています。
蓄積したデータを生かして、サステナブルな工場づくりを目指す
― さまざまな形でデータが蓄積されていますが、これらはどのように活用されているのでしょうか
酒井氏:現状は蓄積したデータを活用するまでには至っていませんが、稼働開始以来、一年が経過しようとする中で、各シューズの製造条件などたくさんのデータが集まってきています。
今後の取組としては、これらのデータを使って分析を行い、製造工程における不具合を未然に防いだり、不良ロットの絞り込みを行うために活用していきたいと考えています。
萩原氏:各個体の製造条件の蓄積によって、製造工程における不具合の未然防止はだいぶ見えてきた感じがします。今後蓄積したデータを解析することで、不具合のトレースや傾向判断も可能になっていくと思います。
そして、Gravioが集めてくれるデータが品質向上に貢献してくると、製造工程における不具合が減ることで材料やエネルギーの無駄を減らすことができます。この現場は生産量が少ないので大きな効果を出すことは難しいですが、ここでの取り組みを見本に、量産工場で行えば、さまざまなムダを大幅に減らすことが可能となると考えられます。
これは現在の中期経営計画で掲げる「デジタルを軸とした経営への転換」によって「事業活動を通じたサステナブルな社会の実現」することにほかなりません。
このようにGravioが、当社が目指すアスリートに優しい脱炭素社会の実現に少なからず寄与してくれると確信しています。
Gravio
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Gravio
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ご担当者
スモールスタートができるGravioは、少量多種生産を行うこの特別な生産ラインでさまざまな取り組みをするにはうってつけのIoTソリューションです。無駄を無くすためのさまざまなIoT活用事例をこの場で実証実験し、将来的には量産工場へ展開することで、アシックスの目指す「サステナブルな社会の実現」の原動力になると期待しています。
フットウエア生産統括部
カスタム生産部長 萩原 祥仁 様
Gravioの魅力は、新しい取り組みが躊躇なくできることです。低コストで自由度も高いので、トライ・アンド・エラーでさまざまな取組ができます。その中から、品質・生産性の向上や無駄の削減が可能となる活用法を見つけ出し、集積したデータから新たな改善につながる情報が得られる環境づくりができつつあると確信しています。
フットウエア生産統括部
カスタム生産部 生産第2チーム 酒井 大樹 様
株式会社アシックス フットウエア生産統括部 カスタム生産部
所在地
〒650-8555 神戸市中央区港島中町7丁目1番1URL
https://corp.asics.com/jp/設立
事業内容
アシックスの社名は、ラテン語の「Anima Sana In Corpore Sano(健全な身体に健全な精神があれかし)」という言葉に由来し、現在に至るまで創業哲学として受け継がれています。1949年に鬼塚喜八郎によって設立されたアシックスは、現在ランニングシューズをはじめ、様々な競技用シューズやスポーツウエア、アクセサリーなどのデザイン、開発、および製造を行うリーディングカンパニーとなっています。 フットウエア生産統括部 カスタム生産部では国内外のさまざまなアスリート用のシューズを製造しております。