8年前のWindows 7 PCに最新Windows 10を載せ替えて“IoT活用”!~古いPCに「Gravio」をインストールして“アリモノIoT”試してみた~
この記事は1年以上前に書かれた内容です。
Gravioの機能・画面キャプチャーなどの情報が古い可能性があります。
最新情報は、Gravioオンラインマニュアルをご参考ください。
Windows 7 サポート終了まであと1年!
Gravio事業部のタルミです。いよいよ一世を風靡した名OS、Windows 7の完全サポート終了まで1年を切りましたね。たしか2020年1月14日ですね。
皆さま、準備はお済みでしょうか?
ちなみに弊社は“常に最新のOSを利用していないとダメ”というITポリシーのもと機材運用をしていますので、Windows 7機材は見つかり次第CTOから強制リプレースの命を受けています(笑)。
ローカルのデータ移行とかはどうしても利用者の責務となるので、結構手間がかかるんですよね。特にプレゼン資料などはネットワークのない状況で使うことを考えてローカルに、という方も多いのではないでしょうか?イベントやセミナーで“完全シンクライアント環境”の方のプレゼンテーションとかを拝見していると、かなり大変のようですね。データ保護・セキュリティーポリシーと利便性、およびネットワーク環境依存度などのバランスって難しいなぁ、と改めて思うところです。
職業柄とでもいいましょうか、PCの実利用環境をいろいろな場所で拝見しますが、まだまだWindows 7 PCを目にすることも多いなぁ、というのが率直な実感です。特に弊社提供のIoTソリューション“Gravio”関係のオシゴトでは、工場やオフィスビル管理室などの現場にお邪魔することも多く、更に古いWindows XPもまだまだ現役で見かけることも多々あります。ひとたび海外に行くとブートに失敗したATMマシンがXPのブルーバックだったり。笑い事ではありませんね。OSバージョンをベースに各種ITポリシーの策定や利用するアプリケーション、ソリューションの検証を行われることも多く、特に大きな組織やシステムだと検証済みのOSでしかシステムが利用できない、というケースも多いかと思います。とはいえ、最新のOSには様々な“便利”な機能が追加されています。特にタッチパネル付きマシンや2in1型などはその入力の多様化、簡素化をOS自らがサポートしていますし、クラウド上のリソースを利用される場合も同様で、簡単にクラウドとシームレスに接続できるようになっていたりします。このような恩恵はできれば享受したいものですね。技術的な観点から言えば、PCそのものが利用するデバイスや機能そのものの汎用化が実際には進んでおり、結果、OS側が提供する標準ドライバーの安定性、各種ネットワークへの接続性、セキュリティ性など、新しいOSは様々な面で改善されている事を感じます。
果たして最新のOSは古いマシンにインストールできるのか?
Windowsのサポート期限終了にあわせて、マシン本体も新しいOSに対応する製品へリプレースを行なうのが企業における一般的なアップグレードの形態ですが、中には、既存のマシンのWindowsバージョンを上げる、という選択をとる場合もありますよね。PCを買い替えて日が経たないマシンをご導入になっているケースもあるでしょう。
さほど古くはないPCであれば、Windows 10 に対応したドライバーなども用意されており、容易にアップグレードできます。
では、それ以外の、かなり古いマシンではWindows 10は動作するのでしょうか。
今回は、“およそ現行機のスペックには程遠い”8年前のPCに最新のWindows 10を導入し、Gravioを入れてみよう、という番外編の企画を行いました。果たしてOSのアップグレードは成功するのでしょうか。また、8年前のPCスペックでGravioは無事に動作するのでしょうか。
なお、Windows 10対応機器以外のアップグレードなので本件は自己責任でお願いします。
実際、旧スペックのPCの処理ってひと手間ですよね。
データ消去、処分、廃棄も一手間。でも資産の償却の関係上、実は倉庫に古いPCが山積みになっている、というケース、筆者は過去によく見かけたのですが、今でもそのような状況ってあるのでしょうかね?
そんなPCに“IoT活用”という新しい命を吹き込んで、再度、役に立ってもらいましょう!
そこで、今回用意したマシンはこちらの2台です。
- DELL社15インチラップトップ Latitude E5520 2011年3月発売
- Lenovo社14インチラップトップ ThinkPad X1 Carbon(20A7) 2014年1月発売
どちらも私物です。普段は使っていないノートPCたちです。実は、どちらも色々と思い出が深く詰まったマシンでして、処分できなかったマシンたちでもあります。Latitudeは私の友人が日本版のカタログや製品紹介資料、マーケティング活動全般を行っていたんです。また、ThinkPadのマーケティング活動は私自身も深く関与していたものでして。ええ。そういうことなんですよ。
あ、話がそれましたね。それだけ思い入れのあるPC達なので、キチンと再活躍できるようにしてあげたい、という思いが強いのです。
具体的なマシンスペックはこちら
DELL社のマシンスペックは下記の通り。
発売日 2011年3月(ざっくり8年前!)
CPU Intel Core i5-2430(第2世代Core iシリーズ2.4GHz,2コア)
メモリ 4GB、SSD 128GB、チップセットはIntel HM65。Sandy Bridgeと呼ばれていた世代ですね。
OSはWindows7 Pro(64Bit)がプリインストールされていました。
もう一台のLenovo社のマシンスペックは下記の通り。
発売日 2014年1月(5年前)
CPU Intel Core i7-4600U(第四世代Core iシリーズ、2.1GHz、最大3.3GHz、2コア)
メモリ 8GB、SSD 256GB、Haswellと呼ばれた世代ですかね。
こちらはWindows 8.1から7 Pro(64bit)にダウングレードされたOSが入っていました。
次に、ターゲットとなるOSであるMicrosoftのWindows 10公式サイトを見てみます。
ある程度のCPU、ある程度のメモリー、などなど条件が記載されています(笑)
こちらをご確認いただき、対象となるマシンがアップグレード要件を満たすかは事前に確認が必要ですね。ただ、具体的な世代とかCPU名が記載されているわけではないので、なかなか確認は難しいです。
正直、私は“なんとかなるだろ!”で進めました。
先にも書きましたが、ここは“自己責任”でお願いいたします。
あと、Gravioは64Bit OSが必須なので、その点は留意しつつスペックの確認をしていきます。特定のCPUやチップセットだと、64Bit版がうまく動かなかったり、ドライバーが用意されていなかったりするようですね。7年ぐらい前にWindows 8とともに市場に出現したタブレットPCなどはスペックが適合しなかったりドライバーがなかったりと、その傾向が強そうです。
こんな機会だからこそ、クリーンインストール!
Windows 10が上市した直後、MicrosoftさんではWindows 10への無償アップグレードをかなり大々的に実施していたのを思い出します。2−3年前ですか、一般的には1607と呼ばれるバージョンですね。ものすごい頻度とポップアップ仕掛けでアップグレードを推奨されていたことを思い出すユーザーさんも多いのではないでしょうか? で、残念ながら、無償アップグレードの期間は既に終了しています。従い、ライセンスを購入し、Microsoft社公式サイト上でWindows 10の各種ブータブルイメージのダウンロードサイト経由でOSを入手し、ご自分でご用意頂いたWindows 10のライセンスキーを使ってインストールしていきます。OSイメージは、お手元に8GB以上の容量のあるUSBメモリーをご用意頂き、ダウンロードする形になりますが、ISOイメージで光学メディアなどに焼き込むことも可能なようです。今回はどちらもWindows 7 Professionalが入っていたマシンなので、同じくWindows 10 Professionalを選びましたが、環境にあわせて、Windows 10用に用意する新しいライセンスキーと合わせたWindows 10 OSイメージをダウンロード頂く、という形ですね。
このインストールメディアはどちらのマシンでも使えました。
(MSさん謹製のクリーンインストール用のメディアを作成していますが、つつがなく認識され、インストールが始まるとまずは一安心です)
再インストールの方法は、十人十色です。
PCメーカーさんが用意しているリカバリーメディアを使ったり、PC本体のストレージ内にリカバリーイメージそのものを内蔵している場合もあります。
(リカバリーメディアは出荷時の状態に戻すことが主なので、今回は使えませんね)
私が今回やりたい“Windows 10のクリーンインストール”は、“吊るしの状態”のインストールメディアを作成し、まずはOS側で用意されている汎用のドライバーなどでPCを動作状態にまで持っていき、足りない、もしくは機能拡張されているWindows 10用のドライバーが各デバイスベンダーやPCベンダーから用意されていれば、順次適応していく、という方法で行きたいと思います。ゴールはデバイスドライバーの画面の△マークが点灯せず、すべての機能がキチンと動いていること、です。
Windows 10ライセンスの用意
せっかくの“再利用”ですから、できれば追加コストをかけたくはありませんよね。
しかし、先にも記載したとおりですが、Windows 10への無償アップグレード期間は残念ながら既に終了しています。GravioはWindows 10 Home (64bit) でも動作しますので、Professional OSだと予算が厳しい、という場合はHome OSへの変更というのも一つの手ですね。
OSのアップグレードに関して、一点追加の情報がありますので記載しておきます。
実はアップグレードしたいマシンを一度でも過去の無償期間中にアップグレードしている場合(無償のWindows 10アップグレード権を行使している場合)、そのマシンに対して改めて上記のイメージを使ってインストールすると、自動的にデジタルライセンス認証が走り、認証されます。一度Windows 10にしたが、実利用上はWindows 7/8.1にロールバックして利用なさっていた、というユーザーさんがこの対象になるようですね。この場合は今でもWindows 10のクリーンインストールがある意味無償で可能のようです。私のマシンは一台がこの対象でした(ThinkPad)。
既にデジタル認証が終わっているマシンだとクリーンインストールは自動的に進み、再起動したら勝手に認証されている、といった状況です(笑)
本アップグレードの手法や対象、制限などに関しては、様々な情報がネット上にありますので、是非検索してみてください。会社でMicrosoftさんのサブスクリプション契約や包括契約を行っていてライセンス購入などがしやすい場合もあるかと思います。アップグレードする元OSの状況、契約の有無に基づき、最適な形を選択いただければ幸いです。
DELLのマシンの方は当然Windows 10のライセンスが無いので、購入します。ライセンスを用意したら、いよいよOSの再インストールを行います。
ここは好みですが、私は最初に既存のパーティーションをすべて削除し、まるまる一つのドライブにして、そこに入れていく手法でいきます。
ここはお好みですね。パーティションを切って行く人もいますし、他のOSとの共存を行う方だと、フォーマットそのものが変わったりと、十人十色ですね。
先程作ったブータブルUSBから淡々とOSアップグレードを行っていきます。たまにUSBメモリーを挿していてもアップグレードの処理が動かないということが発生します。この場合はPCのBIOS(もしくはUEFI)上の設定が影響していることが多いです。そもそもUSBドライブが使えないようになっていたり、また、起動順番が内蔵のHDDから必ず読むようになっていたり、と。BIOSにはこのあたりの設定がありますので、USBメモリーが読める、また、そこから起動するように順番を設定しておいてくださいね。最後にですが、インストールが終わったら、USBメモリーを必ず抜いてください。そうしませんと、いつまでもOS再インストールのプロセスをループしてしまいます。
MS謹製?ベンダー謹製?ドライバーの適用
一通りインストールが終わり、デバイスドライバーの動作状況を確認します。
あくまでも自己責任(くどいですね)で行っていることですのでご了承いただきたいのですが、今回のDELL製品はWindows 10での動作検証は行われていない(それぐらい古い)マシンです。また、Lenovo製品のほうは、Windows 10 での動作検証が行われているマシンですので、当然ながら、メーカーのドライバーに対するサポートが若干違いました。DELL製品では標準のインストール後に、いくつかのドライバーに△マークが付いてしまいました。OSの起動、およびネットワーク接続に影響を与えるものではなかったので、作業に支障はありませんでした。Lenovo製品はさすがWindows 10検証済みでしたので、△マークは無し、あっさりすべてのデバイスが動作しました。
で、正しいドライバーが読み込まれない場合に行えるテクニックがいくつかあるので、経験と勘とすこしの勇気と思い切りで作業していきます。
デバイスドライバーが適用されない場合、だいたいそのデバイスの詳細を見ていくと、Vendor IDとか、PIDといった情報が記載されています。それぞれのIDを検索していくと、そのデバイスが“何をするものか”がある程度わかりますし、Vendor IDからデバイスベンダー名をさかのぼって検索していくと、案外ベンダーが新しいドライバーを提供していたりするものです。そのように一つ一つ潰していくことで、8年前のPCでも、無事にデバイスドライバー上の△をすべて消し込めました。
Gravioインストール、そして動作確認!
どちらのPCもWindows 10 (1809)がバッチリ動作しています。
流石に8年前のPCは重たそうですが。。。そして、GravioをMicrosoft Store からダウンロードし、インストール!
完璧です。
どちらのマシンもGravioが動作しました。
流石に8年前のマシン(当時でミドルスペックですね)はGravioを動かすとそこそこCPUに負荷がかかりますが(現行のミドルスペック機に対して、感覚値ですが4倍ぐらい重たく感じます)、センサーとしっかりつながり、データは確実に拾えます。
また、Lenovoのマシンは、先のマシンよりちょっと新しく、CPUもCore i7なので、現行のミドルスペック機とほぼ同じようなパフォーマンスが出ました。このマシンはタッチパネル液晶を搭載しているのですが、Gravioの得意とするGUIでのアクション作成(フローによる動作設計です)もタッチパネルでらくらく操作できています。
まとめ
IoTを導入してみたい、と考えておられる方々とお話をすればするほど、“現場”のメンバーが“自分でできる”IoTって難しいなぁ、なんでこんなに専門的な知識が必要なのかなぁ、というお声を頂戴します。
現場の問題は現場の方が一番ご存知で、どのデータが取れて、結果、何がしたい、何ができると嬉しい、というのも“答えは現場にある”ということなんでしょうね。その“現場”にあるものをうまく利用して、手の届く範囲、理解のできる範囲から“身の丈”にあったIoTを少しずつ実装していく、そのための“簡単なプラットフォーム”が必要だと改めて感じました。
アリモノでIoTしましょう!