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2025-10-29

「防犯だけじゃもったいない」AI×ノーコードで監視カメラを“現場の武器”に

「防犯だけじゃもったいない」AI×ノーコードで監視カメラを“現場の武器”に

監視カメラを導入している企業の約50%が「映像をほとんど確認しない」という。なぜ貴重な映像データが宝の持ち腐れになっているのか? その答えは、多くの企業が直面する3つの深刻な壁にある。人手依存、高い導入・運用ハードル、防犯設備としての固定観念──これらが映像活用を阻んでいるのだ。しかし、「AI×ノーコード」の革命的組み合わせにより、これらの壁を打ち壊せる時代が到来した。あなたの会社に眠る映像データを、経営と現場の強力な武器に変える方法について解説する。

当記事は、Web『ビジネス+IT』に2025年9月に掲載されたものです。

監視映像の活用に立ちはだかる「3つの壁」とは?

 労働人口減少が避けられない今、企業が生き残るカギは業務の自動化・省力化にある。その切り札として注目が集まるのが、監視カメラ映像の活用だ。

 しかし、現実は厳しい。監視カメラ映像を活用できている企業は驚くほど少なく、レコーダー録画型の監視カメラを導入している企業の約50%が「映像をほとんど確認しない」と回答している調査結果もある。

 なぜ、この貴重な「資産」は眠り続けているのか?その背景には、多くの企業が直面している3つの深刻な壁が存在する。

 第一の壁は「人手依存」である。従来の監視カメラシステムは、モニターの常時監視に膨大な人的コストを要求する。しかも、担当者の経験と判断力に運用が左右され、属人化という新たなリスクまで生み出してしまう。

 第二の壁は「導入・運用」という高いハードルだ。監視カメラ映像の活用の自動化を実現するにはAIや他システムとの連携が必要となる。しかしこれらを行うためには専門的な開発スキルが不可欠である。AI連携やシステム構築には専門的な開発スキルが不可欠である。加えて、決して安くない初期投資が経営陣の決断を鈍らせる。「コストに見合う効果が本当に得られるのか?」という疑問が、導入への一歩を躊躇させるのである。

 そして第三の壁は「防犯設備としての固定観念」で、これが最も深刻だ。多くの企業で「監視カメラは総務部門が管理する『防犯設備』」という固定観念が根強く、防犯以外での可能性が見過ごされている。たとえマーケティング部門が顧客の動線分析に活用したいと考えても部門間の壁に阻まれ、製造部門が品質管理に使いたくてもアクセス権限の問題で門前払いされる。

 結果として、映像データという貴重な“経営資源”が、狭い用途に限定されたまま「宝の持ち腐れ」となっているのである。

3つの壁を打ち破るAI×IoT×ノーコード

 こうした課題に対し、アクシスコミュニケーションズとアステリアは、それぞれの強みを生かした解決策を提示する。3つの壁に対応する3つのカギを順に見ていこう。

 スウェーデン企業のアクシスコミュニケーションズは、ビデオ監視業界のグローバルリーダーだ。その日本法人でエンタープライズ営業本部本部長を務める岡本 秀一氏は、第一の壁である「人手依存」を解決する技術革新についてこう説明する。

アクシスコミュニケーションズ
エンタープライズ営業本部 本部長
岡本 秀一氏

「現在のネットワークカメラなら、人物や物体をAIで自動検出し、人がモニターに張り付いていなくても通知やアラートを自動発報することが可能です。また、カメラ内部でAI処理を行う『エッジAI』によって、映像データをクラウドに送信することなく、瞬時に処理が完了します。侵入者や来訪者への即時対応が可能になるだけでなく、プライバシー保護の観点でも優れています。

 

 映像の質もひと昔前と比べて大きく向上しました。当社が独自開発した最新世代プロセッサーでは、わずかな光でも昼間のような映像が得られ、文字の認識はもちろん、色も鮮明にとらえることが可能です。頭脳と目が進化し、これまでのカメラでは諦めていた利活用の可能性が広がっています」(岡本氏)

アクシスの最新AIカメラによる物体検知の実例。夜間や悪天候下でも安定した検知精度を誇る

 一方、「導入・運用のハードル」に対しては、アステリアの「Gravio」が解決策を提供する。Gravioは、複数の現場から多様な情報をノーコードで収集・統合し、活用までをワンストップで実現できるプラットフォームだ。Gravioは60以上の外部サービスと接続可能で、通知系のSlackやLINE、業務アプリのkintone、さらにPower BIやTableauといった可視化・分析ツールとも連携できます。現場の映像データを、経営判断に直結する“使える情報”へ変換できるのです。

 アステリア AIコネクテッド事業部 営業部 部長の黒柳 開太郎氏は、ハードルの低さを次のように説明する。

「Gravioならプログラミングの知識は一切不要です。アイコンを選んで、パラメーターを設定するだけで、映像データを活用した連携を誰でも簡単に構築できます。従来なら開発会社に依頼して数カ月、数百万円かかっていたシステムを、現場の方がアイデアを思いついたその日の内に実現できるのです」(黒柳氏)

アステリア
AIコネクテッド事業部 営業部 部長
黒柳 開太郎氏

 さらに、「防犯設備としての固定観念」という第三の壁に対しては、Gravioの柔軟な連携機能による可視化・分析・メッセージングが貢献する。

「映像データにどういった価値を求めるかは見る人の立場によって変わります。セキュリティ担当者は不審者の有無を、店舗マネージャーは混雑状況を、人事部門は就業規則の遵守状況を、映像データから知りたいでしょう。Gravioとの連携により、同じデータからいろいろな切り口で活用できるようになります」(岡本氏)

 

AI・IoT、ノーコードツール、柔軟なサービス連携の組み合わせにより、専門知識がなくても自動監視システムを構築可能だ

企業独自のAIモデル作成を身近に実現するアステリアの画像認識AIソリューション「SamurAI」

 製造現場では、製品のカウントや品質検査などにAI画像認識を導入するケースが増えている。黒柳氏は「製品の数を自動でカウントしたり、映像に映る商品の品質を判定したりといったニーズがあります。既存のAIでは対応しきれないケースもありますが、そうした場合でも、Gravioと連携するアステリアの画像認識AIソリューション『SamurAI』を活用すれば、業務に適したカスタム画像認識AIをノーコードで簡単に作成できます」と説明する。

 SamurAIで作成したカスタムAIモデルは、Gravio上でノーコード運用が可能だ。現場で収集した新しい画像を取り込んで簡単に再学習できるため、導入後も自社の業務に合わせて精度を高めていける。外部ベンダーに依存せず、自らの力で継続的にAIを育てられる点も大きな強みだ。

 加えてGravioは、カメラだけでなく温度・湿度・CO2・人感など多様なセンサー情報も組み合わせられるため、映像と環境データを同時に活用する“マルチモーダル監視”を実現できる。例えば熱中症リスクを検知した際には、スピーカーでの警告や管理者へのTeams通知といった自動化も可能だ。

「SamurAI」を活用すれば、独自の業務に適した企業専用のAIモデルをノーコードで簡単かつ迅速に作成することが可能だ

 工場や建設現場における安全管理は、社会的にも極めて重要な課題である。アクシスのカメラは、ヘルメット未着用や安全ベストの確認、転倒検知などの「見守り」用途に活用されており、従業員の安全確保に寄与している。近年では、熱中症によるふらつきや転倒など、健康状態に起因するリスクへの対応ニーズが高まっており、こうしたケースも検知・対応が可能である。Gravioとの連携により、検知後にスピーカーによる呼びかけやチャット通知を通じて即座の対応につなげることができ、事故の未然防止や迅速な対応を実現する。さらに、事故前後の状況を記録として残すことで、安全管理体制の強化にもつながる。

 小売店舗では、より戦略的な活用が期待される。岡本氏は「棚の前での滞留時間や、商品を手に取ったかどうかといった行動を分析することができます。こうした映像データを販売実績(どの商品が何個購入されたか)や、ポイントカードなどを通じた顧客属性データと組み合わせることで、個々の購買傾向や嗜好の把握にもつながります。これにより、店舗全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するとともに、顧客体験(CX)の向上にも貢献することができます。」と話す。さらに黒柳氏も「ストアマネージャーや販促マネージャーが人流データを見たいという強いニーズに応えられます」と付け加える。

導入成功のポイント「スモールスタート」で取り組みやすい

 こうした高度なシステムながら、導入は至ってシンプルだ。Gravioは月額制で提供されるため、初期投資を最小限に抑えられる。さらに、アイコン選択とパラメーター設定だけの簡単な操作で実現できるため、ITに詳しい人材がいない組織でも問題ない。

 専門家不在でとりあえず始めてしまうと、セキュリティの考慮が抜けてしまいがちだが、この点でも安心できる。アクシスの多くの製品が、日本のIoT機器向けサイバーセキュリティ適合性評価制度である「JC-STAR」の★1適合基準を満たしている。また、カメラ内でAI処理ができるため、ネットワーク経由での情報漏えいリスクを減らすこともできる。

 このような特長を持つ製品たちの組み合わせゆえに、スモールスタートで始めやすい。

「既設のカメラ1台から始めることも可能です。まず自分たちの現場だけ、工場の中だけで対応できるところから始めるようにすれば、導入のハードルは大幅に下がります。高性能な最新カメラを新規に設置する場合、最初から大々的に導入するのでなく、ひとまず三脚に載せて試運転してみるのも手です。成果があれば、会社全体で動くこともできるでしょう」(黒柳氏)

 岡本氏が強調するのは、カメラのポテンシャル、そして多彩な用途での活用を可能にするパートナーネットワークの充実ぶりだ。

「当社のショールームに来られた方は、カメラの性能を目の当たりにして『ここまでできるのか』と一様に驚かれ、そこからアイデアが思いついていくことが多いです。そのアイデアを具現化するために、国内では、ユニークなテクノロジーを持つ多くのパートナーを通じて、様々なソリューションを提供しています。。そして、それらを容易に活用するためのハブとして、Gravioは欠かせない存在です」(岡本氏)

Gravioは60を超える柔軟な接続先サービスをあらかじめ用意

日進月歩で広がる映像の可能性

 アクシスのカメラに搭載されているプロセッサーは定期的にアップデートされており、今年に入り第9世代が登場した。たとえば従来はハードルが高かった夜間の車両ナンバー認識については、9世代からはわずかな街灯の明かりさえあれば可能になり、岡本氏は第8世代からの劇的な進化に心底驚いたという。センサーやAIの進化が目まぐるしい時代において、ポテンシャルの認識を頻繁にアップデートしておくべきだと改めて考えさせられる。

 黒柳氏は「アステリアの製品は、データを生み出すわけではありません。カメラの精度やエッジで動くAIがより高度になれば、データがさらにリッチになり、できることの幅が広がってきます。アクシスのカメラが今後どう進化していくかに期待しています」と語る。

 岡本氏は「我々の製品はセキュリティというカテゴリーに分類されることが多いですが、セキュリティ用途だけでなく、データ活用の用途に携わる方々にもネットワークカメラ映像のポテンシャルを知っていただきたいと思います。アステリアは多くのパートナーやお客さまと良好な関係を築いており、その機会が増えることに期待しています。

 両社のソリューションによって、PoC(概念実証)までは比較的簡単に進めることが可能です。難しいのは、その先の本格運用です。両社が一層協力して取り組み、映像の活用を促進していきたいですね」と話す。

 AI監視カメラとノーコード連携ツールの組み合わせは、人口減少に伴う課題を解決する効率化ツールとして期待される。だが、黒柳氏と岡本氏の話からは、単なる効率化手段の域を超え、現場の知恵を引き出し、新たな価値を生み出すプラットフォームであることがわかる。

当記事は、Web『ビジネス+IT』に2025年9月に掲載されたものです。

お問い合わせ

アステリア株式会社
〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-1-39 恵比寿プライムスクエアタワー19階
お問い合わせ :https://www.asteria.com/jp/contact/gravio/

アクシスコミュニケーションズ株式会社
〒169-0074 東京都新宿区北新宿2-21-1 新宿フロントタワー19階
お問い合わせ :https://www.axis.com/ja-jp/contact-us

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